三尺です。
今回は、ゲーム開発をスタートする時、運営する時のフェイズに分けて何が行われているのかまとめてみました。
スタートする時
兎にも角にも偉い人に規格が通らない事には始まりませんが、まずは偉い人に見せるために企画書を作成します。
企画書がどんな物かは色んな方が書籍・ブログを書いていますので、そちらをご覧下さい。
プラモデルに例えれば「戦艦大和の1/350を作る!」ぐらいのもので、ざっくり言えば重視するのは以下の3点です。
・どこが面白いのか
・どれくらい売れるのか
・作る人員とコストは見合っているか
これらが審議され「良いんじゃない?」と承認されれば次のフェイズです。
座組(ざぐみ)
作るゲームは決まりました。
次は誰がいつまでにどの作業を担当するかを決めます。
最初に必要なのは簡易仕様書です。
仕様書という言葉になじみが無い方は設計図の方がイメージしやすいかもしれません。
「簡易」と付けたのは、最初に詳細な仕様書ができるのを待っていたら時間が勿体無いので、まずはプログラマー・グラフィックデザイナー・サウンドなどの職の方への説明代わりにさくっと作成します。
そして、必要なプログラマー・グラフィックデザイナー・サウンドなどの人員と期間が決まります。
プランナーは詳細仕様書の作成を進行し、プロジェクトマネジメントはガントチャートとか進行管理表とかスケジュール表を作成します。
開発開始!
最近は2年程度かけて作成するケースが多いようです。
最初にスケジュールを立て、その後は理路整然と開発進行…となるケースはとても稀です(笑)
一番ありがちなのは見積もりの甘さ。
1週間でできそうだったのに、いざやってみると上手くいかない…1日、2日と遅延すると、その後ろの作業の遅れが確定となります。
以前やって事のある作業の延長上にある物なら容易ですが、新しいハードや新しい機能だと上手くいかない事が多いです。
また、いざ遊んでみたら、あまり面白くなかった…。
業界あるあるです(笑)。
企画書で面白さは伝えているものの、実際に遊ぶとそうでもなかった場合は少なからずあります。
こういう場合、ざっくり仕様変更するか、何とか調整して対応するかのどちらかが行われますが、主に後者が行われるケースが多いです。
仕様変更は作り直しの部分が多く、モチベーションや費用の面で嫌われるんですよね。
如何にスタッフを納得させて仕様変更するかはディレクターの腕の見せ所でもあります(笑)
また開発終了間際には、デバッグと呼ばれる不具合調査が行われます。
よく発売してから不具合が見つかったゲームに対して「デバッグやってんの?」とコメントが見受けられますが、デバッグをやらないラインはありません!
ただ不具合が起きた手順を想定しきれなかっただけなんです(苦笑)
開発終了!そして運営へ…
めでたく開発が終了したらリリースです。
スマホアプリ等のオンラインゲームは実はこれからが本番だったりします。
リリースしてからは、開発から運営チームにバトンタッチされ、どれくらいユーザーがいて、どれくらい遊んで課金しているのかを毎日チェックしています。
そして、毎週あるいは毎月のスパンでアップデートが行われ、新ステージ・新キャラの追加などが行われ、また日々ユーザー動向のチェックが続きます。
売り上げが良ければ運営チームのやり方は問題ありませんが、売り上げが予定より悪い場合は、どこが悪いのか調査したうえでアップデートが行われます。
てっとり早い売り上げアップの方法は、強いキャラを出す事ですね。
ステージクリア型のゲームであれば、パラメータを強くして楽にクリアできるキャラがあると分かれば課金額が増えます。
運営としてはそう簡単に強キャラを与えたくはありませんから、確率を絞ったり、複数のキャラを合成しないと強くならない等で調整を行います。
最近は確率表記が義務化したおかげで分かりやすいですが、大当たりの強キャラは1%前後の確率になっています。
ですが、1%とは100回ガチャをやれば当たる物ではありません。
確率としては、100回ガチャをやれば63.4%の確率で1回以上当たるが正しいです。
なので、4人に1人は当たらない計算になります。
運営としては強キャラを出し続ければ売れるか、と言うと、そんな簡単な物ではありません。
強キャラはゲームバランスを壊しますから、強キャラを持っていないユーザーはやる気がなくなって離れてしまいます。
それはまずいので、色んなレベルのユーザーが適度に遊べるステージを用意します。
ガチャ等の売上施策、イベントステージ等の継続施策の2つの施策をバランス良く行いながら運営は続きます。
そして売り上げが低迷し、サービス終了の決定が行われれば終わりです。
ゲーム開発はグッドエンドですが、ゲーム運営は必ずバッドエンドです。
切ないですねー。
サービス終了間際の運営は色々足掻いて施策を行っているので、もし遊んでいるゲームがつまらないな…こうすれば良いのに…と思ったら問い合わせフォーム等で激励を出すのが良いかもしれません。
長々と書いてしまいましたが、お付き合いありがとうございました!
もしよければこちらもご一読下さい。